例えば、時計を強い磁界に近づけたために、永久磁石を持つローターが磁界に引き付けられて一時的に止まりますと、その引き付けられていた時間だけ時計は遅れることになります。
遅れの現象は、ローターが磁界に影響を受けていた間だけ生じる場合と、その後も現象が続く場合が有ります。
例えばブルースチールの針を搭載している時計では、針が磁化されることもあり、磁化された針は重なり合うと互いに引き合い一定時間留まることにより、運針が遅れることも有ります。
またそれとは反対に、時計を強い磁界に近づけたために、永久磁石を持つローターが磁界と同調して高速で回転することもあり、その場合には、歯車が磁界の影響を受けて回転していた時間だけ時計は進むことになります。
クォーツ時計の場合は、一時的な磁気の影響を受けた事による遅れや進みの現象も多いので、一度時間を合わせ直して頂き、再度ご使用される事をお勧め致します。
その後も遅れや進み等の現象が続く際は、時計をお預りし、磁気抜き(脱磁)を含め機械内部の総合的な点検や調整を行い、時計が正常に動くように遅れや進みの修正をしなければなりません。
機械式時計の場合は、クォ-ツ時計ほど顕著ではありませんが、機械内部の金属素材が極端に磁化されますと遅れや進み等の現象が生じます。
その際はクォーツ時計と同様に時計をお預りし、磁気抜き(脱磁)を含め機械内部の総合的な点検や調整を行う必要がございます。
特に、磁界の強い以下の製品には注意して下さい。
電話の受話器、テレビ、ステレオ、スピ-カ-、電気カミソリ、冷蔵庫のドア、磁気ネックレス、パソコン、電動マ-ジャン台、ハンドバックや財布のマグネットその他各種モ-タ-類等。
また、最近多くみられる事例として、携帯電話のマナ-モ-ド時に時計と携帯電話を一緒に抱き合わせて置かれる事により磁気帯びが生じる事がございますのでご注意下さい。